一般社団法人 日本原子力学会 Atomic Energy Society of Japan

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【意見公告】70. 原子力発電所の確率論的リスク評価の品質確保に関する実施基準:201*(案)(AESJ-SC-RK00*:201*)

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受付期間 : 2013年12月20日 〜 2014年02月19日ご意見の受付は終了しました。

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概要

原子力発電所の確率論的リスク評価(PRA)の品質確保に関する実施基準:201*は,一般社団法人日本原子力学会が標準委員会リスク専門部会の下にPRA品質確保分科会を設けて検討し,リスク専門部会及び標準委員会での審議を経て策定・発行したものです。この標準は,原子力学会標準委員会が発行するPRA標準を適用して実施するPRAの品質を確保する品質保証活動,専門家判断の活用及びピアレビューに関する基本的な要求事項を実施基準として規定したものです。原子力発電所のPRAの特徴は,リスクにかかわる評価を現実的な仮定の基に論理的かつ包括的に行うことができること,リスクに影響を与える要因について定量的な考察が可能であること,及び原子力発電所やその構成設備に関する特性並びに現象論に関する知識・データの不確実さとそれらによりもたらされる評価結果の不確実さを明示することができることなどにあります。PRAは,米国をはじめ各国で技術開発,事例適用,及び応用研究が進められてきた結果,今日では,安全規制を含む安全設計・運転管理等の広い分野における意思決定プロセスを支援する効果的な手段と認識されています。我が国では,PRAは1990年代前半にアクシデントマネジメント策の有効性検討へ適用され,1990年代後半以降の定期安全レビューにおいて活用されてきました。2011年3月に発生した福島第一原子力発電所事故では,安全上重要な設備の広範囲な共通原因故障から炉心の大規模な損傷と環境への放射性物質の放出という事態に至ってしまいました。しかし,PRAは共通原因故障の炉心・格納容器などへの影響評価,重大な事故につながる複雑な事故シーケンスの抽出などに有効な手法であり,2012年に新設された原子力規制委員会において,新しい安全規制の中でPRAを積極的に活用していくことが検討されています。このように、PRAの有効性が認識され,その活用が進んでくるにつれて,PRAに関する品質確保がより重要な課題となってきます。現在までに発行されたPRAの手法に関連した標準(PRA手法標準)には,“PRAの品質を確保するための方策”として本文及び附属書(規定)に専門家判断の活用,ピアレビュー,及び品質保証活動の3項目が規定されています。しかし,最近のPRA標準の審議過程での意見から,専門家判断の活用、品質保証活動など見直すべき点も出てきています。また,10を数えるPRA標準に同様の規定内容が書かれていることは更新時に手間がかかり,間違いを誘起し易いと考えます。これらの問題を解決するために,複数のPRA手法標準に分散している規定を統合した独立した標準としてPRA品質確保の実施基準を策定することにいたしました。現在は公開しておりません。ご意見はありませんでした。