【意見公告】120. 原子力施設の廃止措置の基本安全基準:20XX
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受付期間 : 2022年06月17日 〜 2022年07月16日ご意見の受付は終了しました。
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ご意見はありませんでした。概要
国内の原子力発電所では約40%が廃止措置に移行しました。また,研究炉,核燃料取扱施設等も数十施設が廃止措置中又は廃止措置への移行を決定しています。このような状況下において,国内における廃止措置の安全の確保を確実にするために,廃止措置に関わる全ての者が守るべき基本的な事項を規定する“原子力施設の廃止措置の基本安全基準”(以下,“この標準”という。)を制定します。
制定にあたり,国際原子力機関(以下,IAEAという。)の安全要求及び廃止措置が先行する海外の事例の調査を行い,国内の実情を踏まえ,基本的な安全の要求事項を取り纏めました。IAEAでは廃止措置に関わる基本的な安全要求であるGSR.Part.6を発行しています。また,OECD/NEAでは廃止措置に特化した委員会を設け,欧米の実績に安全かつ合理的な廃止措置に関するレポートを発行しています。“廃止措置の先進国”といえる米国では,NRCから廃止措置の安全規制に関するレポートが多く公開されています。
廃止措置の段階における原子力安全には,廃止措置対象の施設及び行為を前段階である運転中/供用中とは異なる視点で捉え,廃止措置の本質の正しい理解に基づく考え方及び行動の規範が必要であることは明らかです。この標準では,廃止措置の段階にある原子力施設の安全確保において,廃止措置の段階がそれまでの段階と異なる点を明確にし,廃止措置に関係する者の全ての意識の変更を図り,その上で安全確保のために守るべき安全の要求事項を示しています。この2点を広く周知することは廃止措置の安全で効率的かつ効果的な廃止措置の計画,実施及び終了の実現に不可欠な事項です。
原子力に関わる基本的な安全の要求事項については,標準委員会の定める“原子力安全の基本的考え方について 第Ⅰ編 原子力安全の目的と基本原則 AESJ-SC-TR005:2012”に従うものとし,IAEAが定める“Fundamental Safety Principles, IAEA No.SF-1”を参照しました。廃止措置に関わる安全要求については,主としてIAEAの定めるGSR.Part.6 “Decommissioning Facilities,”を参照すると共に,IAEAの発行している関連するレポートを参考としました。また,国内の実情に配慮するため国内の官民学が取り纏めた調査報告書等を参考にしました。
この標準では,廃止措置の段階にある原子力施設及び活動の特徴を明確に示し,この特徴に対して適用する廃止措置を安全かつ合理的に実施する上でのグレーデッドアプローチの考え方を明示しています。廃止措置の特徴に対する理解の下,廃止措置の工事の進捗に伴い変化する施設の状況及び事業者の活動,並びにそれらに対する規制にグレーデッドアプローチを適用することは,廃止措置に必要な資源の適正な配分を可能にしていくものであり,安全かつ合理的な廃止措置の計画,実施及び終了に必須です。
この標準では,廃止措置における基本的な要求事項のみを規定しています。計画,実施及び終了の各段階における技術的な事項及びそれらに関する安全の確保に関することは,この標準の下に体系的に制定される基準及び指針で規定することとしました。
お問合せ先,ご意見提出先
一般社団法人 日本原子力学会 事務局 標準委員会担当
所在地:〒105-0004東京都港区新橋2-3-7 新橋第二中ビル3F
E-mail:sc[a]aesj.or.jp ←[a]を@に置き換えてください
Tel:03-3508-1263 Fax:03-3581-6128
提出方法及び留意事項 ・提出方法
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