【意見公告】118. 原子力発電所の出力運転状態を対象とした確率論的リスク評価に関する実施基準(レベル2 PRA編):20XX
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ご意見と対応
1名の方からご意見をいただきました。 ご意見・回答(No.118)概要
原子力発電所の出力運転状態を対象とした確率論的リスク評価に関する実施基準(レベル2PRA編):2021は,日本原子力学会が標準委員会・リスク専門部会の傘下に設けられたレベル2PRA分科会において改定を検討し,リスク専門部会,標準委員会での審議を経て策定・発行したものです。この標準は,原子力発電所の出力運転状態にある原子力発電所を対象とする確率論的リスク評価のうち,内的事象又は地震に起因したレベル2PRAを実施する場合の有すべき要件について,PRA実施の手順を踏まえて実施基準として規定したものです。
今回の改定は,2016年に発行した“原子力発電所の出力運転状態を対象とした確率論的リスク評価に関する実施基準(レベル2PRA編):2016”について適用範囲を内的事象から地震に拡張すること,さらに内的事象レベル2PRAについて最新知見の反映を行うことを目的とします。レベル2PRAは,原子力発電所から環境への放射性物質の大量放出につながる潜在的なリスクを把握することを目的に実施するもので,その適用範囲を外的事象に拡張することは,東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故の経験から喫緊の課題と考えています。
一方で,レベル2PRAは,レベル1PRAとは異なり,技術的な不確定要素が極めて大きい技術分野であり,改定作業の開始時には国内における地震レベル2PRA実施事例が限られている状況にあること,さらに規制機関においてもレベル2PRAの活用方法が検討段階にあったことから,改定に先立ち,国内外の関連する規格基準や実施事例,研究知見を幅広く情報の収集・分析を行い,課題の抽出を慎重に行いました。抽出された課題としては,地震レベル2PRA特有の実施事項(地震による格納容器の耐性評価,ぜい弱化影響,ソースタームへの影響,余震の影響など)に加え,適用範囲に関する事項(マルチユニット,使用済み燃料プールの扱いなど)が挙げられました。改定作業では,これらの抽出された課題を中心に,実施基準への反映を検討し,技術的に規定とするには研究途上で時期尚早のものについては,その考え方や事例,といった標準の利用を助ける参考情報を附属書(参考)や解説にできるかぎり記載することとしました。
また,今回の改定で調査及び反映を行った国内外の主要な知見としては,ASME /ANS PRA標準やEPRIの実施ガイド,欧州PSAプロジェクトASAMPSA_E及びASMPSA2報告書が挙げられます。また先行して発行されているレベル1PRA,レベル3PRA及び地震PRAに関する実施基準との整合性確認を図り,引用が必要な事項と本実施基準に記載が必要な事項の明確化を行い,必要な反映を行いました。このように内的事象及び地震を適用範囲とするレベル2PRAに関連して,現時点で得られる知見としては網羅的に反映を行った上で,今回の発行に至っております。
福島第一原子力発電所事故以降,我が国の原子力発電所の安全性向上に対するPRAの役割は重要性を増しています。レベル2PRAの実施により,リスク情報を活用した意思決定に役立つ見識を得て,評価対象とする原子力発電所のぜい弱性を特定し対策につなげようとする場合,又は原資の最適な配分を行い,継続的な安全性向上を効果的に実施する場合の共通の基盤が形成される一助になると考えています。
お問合せ先,ご意見提出先
一般社団法人 日本原子力学会 事務局 標準委員会担当
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E-mail:sc[a]aesj.or.jp ←[a]を@に置き換えてください
Tel:03-3508-1263 Fax:03-3581-6128
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