一般社団法人 日本原子力学会 Atomic Energy Society of Japan

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“日本原子力学会標準 原子力発電所の安全性向上のための定期的な評価に関する指針:2015”のより良い理解のために (AESJ-SC-TR017:2020)

1731

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8,250円
注文番号 1731-1

登録情報
  • ISBN : 978-4-89047-433-2
  • 担当部会 : 統合的安全性向上分科会
  • 版型頁数 : A4/212
  • 発行年 : 2020/12/25
6,600円
注文番号 1731-2

登録情報
  • ISBN : 978-4-89047-433-2
  • 担当部会 : 統合的安全性向上分科会
  • 版型頁数 : A4/212
  • 発行年 : 2020/12/25
内容紹介

内容紹介:

日常の取組みにおける,プラントの全ての安全確保活動が正常に廻っていることをモニタし,何か問題があれば評価し,策を検討し,判断し実行するというPDCAサイクルは,日々の改善を積み重ねることによって原子力安全を達成するという点で,有効な考え方である。しかし,上記のサイクルを廻し,定めた品質を維持していくことに加え,プラントの経年劣化及び当初の想定との乖離などのプラント内外の諸変化を,仕組みとして,計画的,継続的に考慮することで,将来を見通した更なる安全性向上の実現に資することができると考えられる。そのためには,新知見の取り入れ及び従来の前提を大きく越えたリスクへの対応などをトリガーとして,将来の安全性向上に繋がる策を見出すことが重要である。具体的には,日常のサイクルとは異なる,広く将来を見通す総合的な判断を行う取組みが必要であり,これに対して,日本原子力学会標準委員会では,“原子力発電所の安全性向上のための定期的な評価に関する指針:2015”(以下,“PSR+指針”という。)[1]を作成,発行している。

この技術レポートは,事業者が “PSR+指針”を用いて, プロアクティブセイフティレビュー(以下,“PSR+”という。)を実施する際の参考となるべく,検討を実施したものである。この技術レポートは,PSR+指針の附属書(参考)相当の位置付けとなる。新知見を迅速に反映もし,機動性をもって情報の追加,更新をすることも鑑みて,標準そのものではなく,技術レポートとして発行するものである。

この技術レポートの2章において,原子力発電所の安全性向上におけるPSR+の適用につき,PSR+を実施していくことの必要性,統合的なリスク情報を活用した意思決定におけるPSR+の位置付け,安全性向上評価でのPSR+指針の活用を説明した。

PSR+指針はその策定過程においてIAEA ガイドライン SSG-25[2]の内容を詳細に評価し,その要求事項につき,この国際的なガイドラインと同等となる指針を検討した。この点につき,PSR+プロセスでの,特に安全因子レビュー,及び総合評価に関して,SSG-25とPSR+指針とで要求する事項の逐条比較を行い,その関係性を整理して,同等性を説明した。さらに,統合的なリスク情報を活用した意思決定に関しては,新たな原子力学会標準“原子力発電所の継続的な安全性向上のためのリスク情報を活用した統合的な意思決定に関する実施基準:2019”(以下,“IRIDM標準”という。)[3]が制定されており,IRIDM標準とPSR+指針とで要求する事項について逐条比較を行い,両標準の関係性を示した。

また,3章において,PSR+プロセスでの,特に安全因子レビュー,及び総合評価に関して指針が要求する事項の理解の助けとなる様な補足説明を「解説」としてまとめ,さらに4章において,その実施サンプルを例示した。

PSR+指針とこの技術レポートを組み合わせることで,事業者が自主的,積極的に改善を打ち出していける実効性のある安全性向上を行う方法を提供できるものと考えており,有効に活用されることを望むものである。