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登録情報
- ISBN : 978-4-89047-395-3
- 担当部会 : レベル1PRA 分科会
- 版型頁数 : A4/246
- 発行年 : 2016/11/07
登録情報
- ISBN : 978-4-89047-395-3
- 担当部会 : レベル1PRA 分科会
- 版型頁数 : A4/246
- 発行年 : 2016/11/07
内容紹介
<まえがきより>
原子力発電所の確率論的リスク評価用のパラメータ推定に関する実施基準:2015 は,日本原子力学会が標準委員会リスク専門部会の下にレベル1PRA 分科会を設けて検討し,リスク専門部会及び標準委員会での審議を経て策定・発行したものです。この標準は,原子力発電所を対象とする確率論的リスク評価(Probabilistic Risk Assessment : PRA)を実施する場合に必要とされるパラメータに対し,その推定を行う際の技術的要求事項を定め,要求事項の実現のために使用できる方法を規定したものです。
原子力発電所に対するPRA は,確率論を用いて原子力発電所のリスクを総合的かつ定量的に評価する手法であり,そのうちのレベル1PRA は,炉心の損傷に着目し,それに至る事故のシナリオを同定することによって,炉心損傷の発生頻度を推定します。
近年,我が国では,原子力発電所における安全確保活動の合理性,客観性,及び透明性を向上させ,安全で効率的な原子力発電所の運営を実現させるべく,原子力発電所の設計,運転,保守に関する分野においてリスク情報を本格的に活用する検討がなされてきたことから,日本原子力学会標準委員会では,確率論的リスク評価に関する標準類の制定及び改定を進めてきました。
さらに,福島第一原子力発電所事故を契機として,シビアアクシデントの発生頻度と影響の大きさを科学的かつ合理的に見積ることのできるPRA が重視され,PRA から得られる知見を事業者の安全確保活動及び国の規制活動に反映させることが急務となっています。このため,レベル1PRA 関連の標準については,評価手法の更新及びPRA の品質確保に関する事項の充実化が,従来にも増して重要となっています。
このような状況を考慮すると,PRA 用パラメータについて,国内実績データからの推定,推定結果の不確実さをも把握した上でのPRA への適用は,PRA の品質の向上に大きく寄与するものと考えられます。
今回の改定では,2010 年に制定した“原子力発電所の確率論的安全評価用のパラメータ推定に関する実施基準:2010”が制定後5 年を経過したことから定例改定するものです。今回の改定にあたっては,この標準に記載する技術的要求事項を実現するために,日本原子力学会での他の標準整備の進捗状況を踏まえて相互の整合性を考慮しながら,“ASME/ANS PRA 標準”の要求事項等,前回の標準制定後に蓄積された新知見及び評価経験等を反映しています。
また,この標準では,最新の知見及び国内での技術的検討から,不確実さの評価を適切に取り扱い,事例の少ないケースも含め広範囲のデータを対象とし,しかもパラメータ及びデータの不確実さを適切に評価するためにも,汎用性及び理論的整合性に優れた,ベイズ統計手法によるパラメータの推定を推奨しています。また,標準の構成として,本文で要求事項を述べるとともに,附属書(参考)で具体的な手順及び国内での活用事例等を例示しました。
なお,この標準に記載した技術的要求事項及び方法は,パラメータを推定する場合に統計学上の適用条件が同じであれば,統計的手法によって推定する全てのPRA でのパラメータ推定において共通して用いることができます。