内容紹介
日本原子力学会標準委員会は,標準の制改定をその任務としているが,標準委員会発足当時から,「安全原則(基本理念)も整備されるべき」との活動方針を明示してきた。標準の策定の検討は,原子力安全の意味や目的などを常に念頭に置いて行うべきとの方針であることから,その傘下に原子力安全検討会,原子力安全分科会を設け,平成23年9月から「原子力安全の基本的考え方」の検討を開始し,その検討結果を平成25年6月に標準委員会技術レポート:「原子力安全の基本的考え方について 第?編 原子力安全の目的と基本原則」(AESJ-SC-TR005:2012)に取り纏めた。
第?編は,「原子力安全の目的」及び「原子力安全の基本原則」を記載したものである。これらは,原子力安全を確保していくための羅針盤として今後活用されると考えられるが,原子力安全の基本原則を原子力発電プラントの安全性向上に役立てるためには,基本原則を具現化するための技術要件を検討することが望ましい。そこで,第?編では,「原子力安全確保のための基本的な技術要件」について検討を実施し,また,この検討の成果を活かしつつ,原子力学会として今後,策定・整備していくべき「規格基準の体系化」について検討を進めることとした。
本検討は,IAEAで検討されている技術要件を参考にしつつ,東京電力福島第一原子力発電所事故に関する国内外の報告書に記載されている事故の教訓を反映する形で実施されている。
本書の成果は,今後,標準委員会において策定・整備すべき標準の計画,原子力学会の標準を含む国内の規格基準類の体系化や高度化に活用されるものである。また,深刻な原子力事故を発生させた当事国の原子力学会として,IAEAをはじめとする国際的な規格基準類をより良いものにしていくために,本検討の結果を広く発信し,国際的に原子力の安全性を向上させるよう,努力及び貢献を継続することとしたい。
※なお,本報告書の添付資料はCDでのみの提供となっています。
(本文・解説・付録は,冊子及びCDで提供しています)
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