一般社団法人日本原子力学会標準委員会では,以下の標準に関する講習会を開催いたします。
「原子力発電所の出力運転状態を対象とした確率論的リスク評価に関する実施基準(レベル2PRA編):2022」(2023年9月5日発行)
一般社団法人日本原子力学会標準委員会から,「原子力発電所の出力運転状態を対象とした確率論的リスク評価に関する実施基準(レベル2PRA編):2022」を新たに発行しました。
この標準は,原子力発電所を対象とする確率論的リスク評価(Probabilistic Risk Assessment:PRA)のうち,内的事象,地震,地震によって発生する津波,又は地震以外の要因による津波に起因したレベル2PRAを適用の範囲とし,炉心損傷後の格納容器機能喪失頻度,早期大規模放出頻度,大規模放出頻度及びソースタームを評価することで,原子力発電所から環境への放射性物質の大量放出につながる潜在的なリスクを把握し,原子力発電所の安全性向上にあたり,様々な工学的知見などを総合的に活用するリスク情報を活用した意思決定に役立てることを目的としています。
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震とそれに伴う津波により,東京電力福島第一原子力発電所では,設計想定を超える地震と津波のため,全交流電源喪失となり,3基の原子炉が炉心損傷に至り,環境へ大量の放射性物質が放出される事態となりました。一方,震源地近くに立地する他の原子力発電所も大きな設備被害を受けましたが,アクシデントマネジメントが功を奏し原子炉停止を達成することができました。これらの事故をPRAの観点で見ると,自然災害のハザード解析,外的事象に対するリスクの把握からのアクシデントマネジメント整備,高影響事象に対する柔軟な対応策整備などの,PRAが貢献できる多くの点があったことが見出せます。
日本原子力学会 標準委員会 リスク専門部会としては,シビアアクシデントと公衆や環境への重大な影響の阻止にPRAの活用が不十分であったことを反省し,実効性の対策につながるリスク情報を与えるとともにPRAの活用促進を働きかけることが最重要課題であると考えています。このような背景から,新たな標準では,地震に加えて津波まで含むように拡張した構成としています。
本講習では,標準策定に携わった方々を中心とした講師陣により,新たに発行した基準及び指針の規定内容を解説しますので,ぜひ,ご参加ください。
開催日時 |
2024年2月21日(水)10:00 ~16:30 |
会場 |
Webexシステムによる開催 |
参加費 |
[標準を購入する場合(講習会+標準+送料のセット価格),税込み]
・正会員 30,800 円(学生会員 25,300 円)
・非会員 36,300 円(学生非会員 28,050 円) |
[標準を購入しない場合(講習会のみ価格),税込み]
・正会員 11,000円(学生会員 5,500円)
・非会員 16,500円(学生非会員 8,250円) |
※標準は郵送させていただきます。 |
プログラム |
別紙1の通りです。(変更の可能性あり) |
申込方法 |
講習会申込フォームよりお申し込みください。
申込み締め切り後に請求書を送付(開催の約1週間前)させていただきます。
また,お振込みにつきましては講習会参加後にお願いします。
※オンデマンド講習会用の録画について
今回のwebexシステムによるライブ講習会のビデオ録画を用いてオンデマンド講習会に利用する場合がございます。講師の講義中を録画することについて同意することでお申込みください。
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申込み締切日 |
2024年2月6日(火)※申し込みは締め切りました。 |
<お申し込み・問い合わせ先>
一般社団法人日本原子力学会 標準委員会事務局
〒105-0004 東京都港区新橋2-3-7 新橋第二中ビル3F
Tel:03-3508-1263 FAX:03-3581-6128
Email:sc@aesj.or.jp
(原子力学会への入会のお勧め)
入会金は, 正会員 2,000円, 学生会員無料です。講習会に参加される方で会員でない方は,この機会にぜひご入会下さい。
詳細は,https://www.aesj.net/member/join_membership/member_join_id をご覧ください。
レベル2PRA標準講習会プログラム(案)
原子力発電所の出力運転状態を対象とした確率論的リスク評価に関する実施基準(レベル2PRA編):2022
日時:2024年2月21日(水)10:00 ~16:30
場所:Webexシステムによる開催
議事進行:標準委員会 リスク専門部会 レベル2PRA分科会
副主査 中村康一(電力中央研究所)
10:00~10:05 |
開会挨拶 |
濱崎亮一(元東芝) |
10:05~10:20 |
Ⅰ:レベル2PRA実施基準改定の背景と目的
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濱崎亮一(元東芝) |
10:20~11:40 |
Ⅱ:レベル2PRA実施基準改定のポイント
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山越義規(三菱重工) |
11:40~12:00 |
質疑応答 |
Ⅰ、Ⅱの講師
美原義徳(鹿島建設)
松山昌史(電力中央研究所)
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12:00~13:00 |
昼食休憩 |
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13:00~13:50 |
Ⅲ:格納容器負荷の分析と格納容器機能喪失モード |
佐藤圭祐(東京電力HD)
鈴江和昌(関西電力)
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13:50~14:00 |
質疑応答 |
Ⅲの講師
美原義徳(鹿島建設)
松山昌史(電力中央研究所)
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14:00~14:50 |
Ⅳ:格納容器イベントツリー評価
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廣川直機(日立GEニュークリア・エナジー) |
14:50~15:00 |
質疑応答 |
Ⅳの講師
美原義徳(鹿島建設)
松山昌史(電力中央研究所)
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15:00~15:10 |
休憩 |
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15:10~16:00 |
Ⅴ:ソースターム評価
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石川淳(日本原子力研究開発機構) |
16:00~16:30 |
Ⅴの質疑応答、全体質疑・意見交換
閉会挨拶
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上記講師陣
濱崎亮一(元東芝) |