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- ISBN : 978-4-89047-457-8
- 担当部会 : システム安全専門部会
- 版型頁数 : A4/33
- 発行年 : 2023/12/26
- ISBN : 978-4-89047-457-8
- 担当部会 : システム安全専門部会
- 版型頁数 : A4/33
- 発行年 : 2023/12/26
- ISBN : 978-4-89047-457-8
- 担当部会 : システム安全専門部会
- 版型頁数 : A4/33
- 発行年 : 2023/12/26
- ISBN : 978-4-89047-457-8
- 担当部会 : システム安全専門部会
- 版型頁数 : A4/33
- 発行年 : 2023/12/26
内容紹介
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<まえがきより>
“加圧水型原子炉一次冷却材の化学分析方法-放射性よう素:2023”は,一般社団法人日本原子力学会が,
標準委員会 システム安全専門部会 水化学管理分科会 PWR 水化学管理指針作業会,同分科会,同専門部
会及び同委員会での審議を経て制定し発行したものです。この標準では,プラントシステム全体の信頼性
の維持,向上の観点から通常運転時,停止時及び起動時の燃料被覆管の健全性確認を目的として,原子炉
一次冷却材の放射性よう素濃度を精度良く化学分析するための具体的方法を規定しています。
加圧水型原子炉(PWR : Pressurized Water Reactor)の一次系では,高温高圧環境下で一次系構成材料及び
燃料被覆管が冷却材及び減速材としての水と接触しており,水質によっては,腐食反応によって一次系構
成材料及び燃料被覆管の健全性に影響を及ぼす可能性があります。また,一次系構成材料の腐食によって
発生する腐食生成物が水中に溶け出し炉心で放射化され一次系構成材料の表面に移行して蓄積すると,こ
れが線源となって作業従事者の被ばく線量の上昇の原因となります。このため,水化学管理を適切に行う
ための指針の制定が必要とされてきました。
このような状況のもと,2011 年に発生した福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ,軽水炉の自主的
安全性向上の取組みのもとに“加圧水型原子炉一次系の水化学管理指針:2019”が策定されました。水化
学管理の主な目的として,一次系構成材料及び燃料被覆管の健全性維持並びに作業従事者の被ばく線量低
減の3 項目がありますが, 原子力安全の基本原則のうち,一次系構成材料及び燃料被覆管の健全性維持は,
“放射線リスク源を閉じ込めること”に繋がり,被ばく線量低減は,“人と環境を護ること”に繋がりま
す。加圧水型原子炉一次系の水化学管理指針:2019”は,これらの概念を体系化し,原子力安全の達成,
維持,向上に資することを目指して制定されています。
“加圧水型原子炉一次系の水化学管理指針:2019”では,一次系構成材料及び燃料被覆管の健全性維持
並びに被ばく線量低減の観点から,通常運転時の原子炉一次冷却材の水化学管理項目,制御項目,診断項
目,制御値,推奨値,アクションレベル,アクションレベル逸脱時の対応及び分析頻度並びに停止時及び
起動時の原子炉一次冷却材の制御値,推奨値及び分析頻度を規定しています。また,品質管理の箇条で規
定されている化学分析は,加圧水型原子炉一次系における水化学管理の品質を担保するものであり,原子
力安全の基本原則のうち “異常・故障の発生防止”並びに“異常・故障の検知及び拡大防止”に該当しま
す。加圧水型原子炉一次系システム全体の安全性確保に係る分析項目について適切に運用管理するために
は,精度の高い信頼性に優れた化学分析を行う必要があり,“加圧水型原子炉一次系の水化学管理指針:
2019”を下支えするための化学分析方法の策定が求められていました。
この標準では,これらの項目のうちJIS,ASTM 及び放射能測定シリーズで標準化されていない原子炉一
次冷却材の放射性よう素の化学分析方法を日本原子力学会標準として規定しました。よう素131 は,“加
圧水型原子炉一次系の水化学管理指針:2019”において,通常運転時,停止時及び起動時には原子炉一次
冷却材において分析頻度が規定されています。よう素131 はγ 線放出核種で,その濃度はゲルマニウム検
出器を用いて計測されますが,信頼性の高い定量分析では計測前に試料から妨害核種の影響を排除する化
学操作が重要です。この標準では,よう素131 を含む放射性よう素の化学分析の具体的な方法に関する一
般事項,サンプリング,器具及び装置並びに化学分析操作を規定しています。
この標準は改定した後も,安全性向上に関わる国内外の新知見をプラントの運用管理に適切に反映する
ため,プラントの運転経験及び新知見に基づく適用事例を解析しフィードバックを図ることによって,最
新の化学分析技術を取り入れ,標準の改定を適宜行っていきます。このような活動を通じて,原子力発電
所の継続的な安全性向上に寄与できるものと期待されます。