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- ISBN : 978-4-89047-444-8
- 担当部会 : リスク専門部会
- 版型頁数 : A4/39
- 発行年 : 2022/7/21
- ISBN : 978-4-89047-444-8
- 担当部会 : リスク専門部会
- 版型頁数 : A4/39
- 発行年 : 2022/7/21
内容紹介
<まえがきより>
“原子力発電所の内的事象を起因とした確率論的リスク評価に関する基準(レベルIPRA編) 2022 ” は,一般社団法人日本原子力学会標準委員会のリスク専門部会に設けられているレベル IPRA-分科会において検討し,リスク専門部会及び標準委員会での審議を経て策定,発行したものです。この標準は,原子力発電所の内的事象に関する安全性を総合的に評価することを目的に実施する確率論的リスク評価(PRA)のうち,内的事象にかかる炉心損傷又は燃料損傷の発生頻度までを評価するレベルIPRAを対象としています。
原子力発電所のPRAは,確率論を用い安全に関わるリスクについて総合的かっ定量的に評価を実施するものであり,炉心又は燃料の損傷に関わる事象に着目して,損傷に至る事故シナリオ及び損傷後の事故進展を定量化することによって,発生頻度と影響とを推定することができます。
PRAの特徴は,原子力発電所の安全性に関わる評価を現実的な仮定の基に論理的かっ包括的に行うことができること,安全性に影響を与える要因について定量的な考察ができること及び原子力発電所やその構成設備に関する特性,現象論に関する知識,データの不確実さとそれらによってもたらされる評価結果の不確実さとを提示できることなどにあります。PRAの技術開発,事例適用及び応用研究が進められてきた結果, PRAは安全規制を含む安全設計,運転管理などの広い分野における意思決定プロセスを支援する効果的な手段として認識されています。
福島第一原子力発電所事故後においては,炉心損傷に至るようなプラントでの重大事故も範ちゅうとする新たな安全規制となっており,プラントの運転段階においても新たな検査制度が導入されています。さらに,電気事業者による定期的な安全性向上評価においてPRAが実施され,のようなPRAから得られるリスク情報を自主的に活用して意思決定に反映していくこととしています。リスク専門部会では,このような意思決定に適用できるリスク情報を得るPRAのための標準のあり方として, PRAが備えるべき性能に着目した標準構成にするべきとの方針を示しています。
以上のような背景から,この基準は内的事象を起因としたレベルIPRAを対象として,意思決定に適用できるリスク情報を得るためのPRAの性能に関する要求事項を規定しています。